中学吹奏楽部、希望外の入部が生んだ最高の思い出
中学時代、心が折れてやる気もなく吹奏楽部に入部しました。
希望していた部活ではなく、やむを得ずの選択。
そんなテンションで始まった部活生活でしたが、振り返ると予想以上に楽しくて、今でも笑える思い出がいっぱいです。
最初は、同じく希望とは違う部活に放り込まれた男子たちが集まり、やる気のない者同士で愚痴を言い合っていました。
「どうせなら楽しんだもん勝ち!」と開き直って、部活の練習時間に顧問がいないときは音楽室で遊んでばかり。
漫談したり、悪天候の日は校舎内で鬼ごっこをして走り回ったり。
楽器の練習そっちのけで、遊びの時間に変えてしまったんです。
そんな感じで、気ままに過ごしていた日々が、意外と良い思い出になりました。
吹奏楽部に入ったものの、正直、演奏の成績を上げようなんて意識はゼロ。
どうせなら楽しく過ごすしかない、と気持ちを切り替えて過ごしていたんです。
でも、なぜか音感が良かったのか、練習そっちのけだった私が、1年生にして唯一レギュラーとして夏の大会に出場することになりました。
この時は、さすがに「マジか…」と驚きましたが、先輩たちも意外とフレンドリーで、運動部のような厳しい縦社会もなく、気楽な雰囲気があったおかげで楽しくやれました。
そんな先輩たちも、実は私たちと同じく「やる気はないけど仕方なく入部した」人たちばかりで、これがまた親近感を感じるポイントでした。
おかげで、先輩後輩の壁なんて感じることもなく、自然に仲良くなりました。
特にその年の夏休みの部活は最高でしたね。
練習はそこそこに、部員全員で騒いで遊ぶ日々。
部活後には、男子も女子も一緒になって校庭で水風船爆弾を投げ合い、まるで戦争ごっこ。
水しぶきを浴びながら笑い転げる先輩も後輩も関係なく、本当に楽しかったです。
「どうせなら楽しんだ者勝ちだよね!」と、遊びながら実感しました。
陸上競技を諦めた私でしたが、部活で遊ぶのに全力を注ぐ日々は、それはそれで最高に楽しかったんです。
この頃の部活の仲間たちは、本当に気さくでフレンドリーな人ばかりで、悪い人が一人もいなかったのも驚きです。
中学生活の中で、これほどまでに気を許せる仲間に出会えたのは、本当に奇跡のようでした。
しかし、私が2年生、3年生と進級するにつれ、部活の雰囲気は変わっていきました。
やはり「楽しむこと」が欠けると、どうしてもまとまりがなくなってしまうんですよね。
いくら練習を重ねても、無理に真剣にやろうとする空気が漂うと、良い成績を出すどころか、部員同士の連帯感も薄れてしまいました。
1年生の頃のあの無邪気な楽しさを知っているだけに、寂しさも感じました。
思い返せば、楽しくやっていた時こそ、自然にまとまりができ、意外なほどに良い成績が出せたのかもしれません。
練習ももちろん大事ですが、部活って「楽しむ心」がないと、いざという時のチームワークも生まれないものだな、と感じました。
希望外の部活だったはずが、結果としては楽しい思い出に変わり、貴重な中学時代の経験になったのです。
私の中学吹奏楽部の3年間は、決して順調なものではなかったし、目標に向かって一直線に頑張るような部活ではありませんでした。
それでも、あの夏の水風船戦争や鬼ごっこの笑い声、仲間たちとの他愛のない会話…そうした瞬間があったからこそ、辛かった中学生活の中でも、一番輝いていた時間になりました。
結局、人生は「楽しんだもの勝ち」。
希望通りじゃなくても、それをどう楽しむか次第で、思いがけない楽しい時間が手に入る。
今でも、あの部活の仲間たちと過ごした時間は、大切な宝物です。
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